「社会人経験が1〜2年しかないのに、職務経歴書に何を書けばいいの?」「実績と呼べるものがない……」——第二新卒として職務経歴書を書こうとして、最初の1行で手が止まってしまう方は多いのではないでしょうか。

先に結論をまとめると、第二新卒でも職務経歴書は用意しておいた方がよい場面が多いです。ただし、社会人経験が短いからといって、無理に大きな成果を書く必要はありません。大切なのは、次のような点を具体的に整理することです。

  • 担当した仕事と、自分の役割
  • 工夫したこと、身についたこと
  • 数字で説明できる事実(件数・量・期間など)
  • 次の仕事で活かせる経験

「実績がないから書けない」と考えるのではなく、経験を分解して整理することで、書ける材料は見つかります。この記事では、ハローワークが公開している「職務経歴書の作り方」の資料で確認できる基本と、CareerMedia編集部による実務的な整理を分けて解説します。

第二新卒でも職務経歴書は必要?

職務経歴書を提出するかどうかは応募先によりますが、ハローワークの資料では、応募者が求める職務経験や能力を持っているかを判断するために、履歴書のほかに職務経歴書の提出を求める企業が多くなっていると説明されています。

第二新卒の場合、職歴が短いことから「職務経歴書は不要なのでは」と考える方もいますが、求人票や募集要項で提出を求められている場合は、忘れずに用意しましょう。提出を求められていない場合でも、自分の経験を整理しておくと、面接で経験を聞かれたときの準備にもなります。同資料でも、職務経歴書を作る過程で自分の能力や強みに気づき、自己PRの材料が整理でき、面接にも対応しやすくなるといった効果が挙げられています。

履歴書と職務経歴書の違い

ハローワークの資料をもとに整理すると、2つの書類の役割は次のように分けられます。

履歴書 職務経歴書
主な役割 基本情報・学歴・職歴などを簡潔に示す 職務の内容・経験・能力を具体的に伝える
様式 決まった様式(市販品や様式例など) 自由様式
書き方 要点を簡潔に 履歴書より詳しく補足する

同資料では、履歴書の内容をそのまま写すような書き方では職務経歴書を作る意味がなく、履歴書に書ききれなかった内容を補足して、より詳しく書く必要があると説明されています。

履歴書の書き方は、第二新卒の履歴書の書き方は?で詳しく解説しています。2つの書類は内容が食い違わないように、あわせて作るのがおすすめです。

職務経歴書の構成マップ。必須の標題・日付・氏名と職務経歴に加えて、職務要約、活かせる経験・スキル、資格・学習中のこと、自己PRから選んで構成する。

第二新卒の職務経歴書に書く基本項目

ハローワークの資料では、職務経歴書はA4縦サイズ1〜2枚程度に自由様式で書く書類とされ、パソコンで横書きにより作成するのが一般的ですが、手書きでも差し支えないと説明されています。1枚に収まらない場合は複数枚でもよいとされています。

記載項目は基本的に自由ですが、冒頭の「標題(職務経歴書)」「日付」「氏名」と「職務経歴」は必須とされています。そのほかの項目は、全部で3〜6項目程度を選ぶのが一般的とされています。第二新卒が使いやすい項目は次のとおりです。

  • 職務要約:これまでの職務経歴のエッセンス(概要)
  • 職務経歴:期間、会社名、事業内容、所属部署、雇用形態など
  • 業務内容:仕事の具体的な内容、処理の方法、責任の範囲など
  • 実績:可能であれば成果を示す数値。エピソードを添えることもできる
  • 活かせる経験・スキル:応募先の仕事につながる能力や知識
  • 資格:正式名称で。勉強中のものも書ける
  • 自己PR:自分の強みと、応募先でどう活かすか

職務経歴の書き方には、古い順に書く「編年体式」、新しい順に書く「逆編年体式」、職務内容の種類ごとにまとめる「キャリア式」があり、迷ったときは編年体式にするとよいとされています。職歴が1社のみの第二新卒であれば、編年体式で書くのが分かりやすいでしょう。

文章は原則として「〜を担当」「〜に従事」のような名詞止めにし、自己PRや志望動機は「〜しました」のような丁寧な文体にするとよいとされています。会社名は「(株)」などと略さず正式名称で書き、年号は和暦か西暦に統一します。

職歴が1年未満でも書けることはある

ハローワークの資料では、職歴が短い場合でも、ビジネスマナーや基礎的な実務能力を身につけたこと、仕事への意欲や姿勢など、アピールできる点はあるため、それを見極めて書くよう説明されています。

在籍期間が1年未満でも、次のような内容は書ける材料になります(編集部による整理)。

  • 研修で学んだこと:ビジネスマナー、業界知識、商品知識、使用するシステムなど
  • 配属後に担当した業務:短期間でも、任された業務の内容と量
  • 覚えた業務の種類:「受発注処理、請求書の作成、電話対応を担当」など
  • 工夫したこと:早く仕事を覚えるためにしたこと、ミスを防ぐためにしたこと

社会人2年目なら何を書く?

社会人2年目前後になると、1年目より書ける内容が増えます。たとえば次のような観点で整理してみましょう。

  • 担当範囲の広がり:1年目と比べて任されるようになった業務
  • 継続して担当した業務の量:担当顧客数、月の対応件数など
  • 改善したこと:業務の進め方を見直した経験
  • チーム内の役割:後輩への説明、関係部署との調整など

2年目で転職を考える際の全体的な判断材料は、新卒2年目で転職しても大丈夫?で整理しています。

「実績がない」と感じる場合の整理方法

「実績」というと売上や表彰を思い浮かべがちですが、職務経歴書に書ける材料はそれだけではありません。ハローワークの資料でも、実務能力に自信がない場合でも、研修の経験、勉強中の分野、性格・行動特性、仕事への姿勢・意欲、将来の目標などの面からアピールできると説明されています。

「実績がない」ときの経験棚卸しの図。量・範囲(担当顧客数・対応件数・業務量など)、改善・工夫(ミス削減・作業時間の短縮など)、人との関わり(顧客対応・社内調整・後輩への教え方など)、学び・成長(資格・研修・失敗から改善した経験など)の4つのグループ。

次の4つのグループで、自分の経験を書き出してみましょう(編集部による整理)。

  • 量・範囲:担当顧客数、対応件数、業務量、任された業務の範囲、習得した業務の種類
  • 改善・工夫:ミスの削減、作業時間の短縮、手順やチェック方法の見直し
  • 人との関わり:顧客対応、社内調整、チーム内での役割、新人への説明
  • 学び・成長:資格の取得、勉強していること、研修で身につけたこと、失敗から改善した経験

ここで大切なのは、数字や成果を盛ったり、作ったりしないことです。面接では職務経歴書の内容をもとに質問されることが多いとされているため、説明できない内容を書くと、かえって信頼を損ねるおそれがあります。自己PRの材料の見つけ方は、第二新卒で実績がない…自己PRに書けることを見つける4ステップでも詳しく紹介しています。

職務要約の書き方

職務要約は、職務経歴書の冒頭で、これまでの経験を3〜4行程度にまとめる項目です。読み手が最初に目を通す部分なので、「どんな会社で、どんな仕事を、どのくらいしてきたか」が一目で分かるようにします。

以下は、CareerMedia編集部が作成した架空の例です。

営業職(社会人2年目)の例

新卒で事務用品の専門商社に入社し、法人営業部に配属。既存顧客を中心に約30社を担当し、見積作成、提案、受注後の納期調整、納品後のフォローまでを担当。2年目からは新人の同行指導も担当。

事務職(社会人1年目)の例

新卒で住宅設備メーカーに入社し、約2か月の研修後、営業事務として配属。受発注データの入力、納期調整、請求書の作成を担当。入力ミスを減らすための確認手順の見直しに取り組む。

販売職(社会人2年目)の例

新卒でアパレル企業に入社し、都内の店舗で販売スタッフとして勤務。接客・販売のほか、在庫管理と売場づくりを担当。2年目からはアルバイトスタッフへの業務説明も担当。

職務内容・担当業務の書き方

職務経歴の欄では、在籍期間・会社名・事業内容・所属部署を書いたうえで、担当した業務を具体的に書きます。ハローワークの資料では、仕事の具体的な内容、処理の方法、責任の範囲などを書き、顧客や取扱製品の種類、商品の数、使用機器などを付記してもよいとされています。

以下は、社会人2年目の営業職を想定した架空の記入例です。

職務経歴書

2026年10月○日現在 / 氏名 ○○ ○○

■職務要約

新卒で事務用品の専門商社に入社し、法人営業部に配属。既存顧客を中心に約30社を担当し、見積作成から納品後のフォローまでを担当。

■職務経歴

2024年4月〜現在 株式会社△△(架空)

事業内容:事務用品・オフィス家具の卸売(従業員数 約200名)

2024年4月〜6月 新入社員研修(ビジネスマナー、商品知識、受発注システム)

2024年7月〜現在 法人営業部

  • 既存顧客(中小企業 約30社)への定期訪問・提案
  • 見積書・提案資料の作成、受注後の納期調整
  • 納品後のフォロー、問い合わせ対応
  • 2025年度より新人1名の同行指導を担当

■活かせる経験・スキル

  • 顧客の要望を聞き取り、提案内容を組み立てる力
  • Excel(関数・集計表の作成)、PowerPoint(提案資料の作成)

■資格

2024年11月 日本商工会議所 簿記検定3級 合格

以上

※会社名・年月・数値などはすべてCareerMedia編集部が作成した架空の例です。

業務内容は、「営業を担当」のような一言だけでなく、誰に(顧客の種類)、何を(業務の内容)、どのくらい(量・範囲)が分かるように書くと、具体的に伝わりやすくなります。

数字で表せる成果がない場合はどうする?

ハローワークの資料では、実績欄には「可能であれば」成果を示す数値を書くとされています。数字は具体性を高める手段の一つですが、売上や達成率のような成果の数字がない場合もあります。

その場合は、次のような事実としての数字を使えないか考えてみましょう(編集部による整理)。

  • 担当顧客数、担当店舗数
  • 1日・1か月あたりの対応件数や処理件数
  • 担当期間、研修期間
  • 作業時間の変化(例:手順の見直しで1件あたりの確認時間を短縮)

数字がない経験でも、工夫したことと、その結果どう変わったかを具体的に書けば伝わります。数字がないことだけで評価が決まるとは限らないため、無理に数字を作らず、事実で説明できる範囲で書きましょう。

第二新卒の自己PRの書き方

職務経歴書の自己PRは、次の流れで短くまとめると伝わりやすくなります(編集部による整理)。

経験を伝わる言葉に変換するフロー(例はすべて架空)。1 職務内容:営業事務として受発注データの入力と納期調整を担当(1日約40件)。2 工夫:入力ミスが続いたため確認用のチェックリストを作りチームで共有。3 身についたこと:正確さとスピードを両立させる手順づくりと周囲への共有の仕方。4 次で活かす:応募先の業務でも正確な処理と手順の改善で業務を支えたい。

例(架空)

【正確さを保つための工夫】

営業事務として、1日約40件の受発注データの入力と納期調整を担当しました。入力ミスが続いた時期に、確認すべき項目をまとめたチェックリストを作成し、チームで共有しました。この経験から、正確さとスピードを両立させるための手順づくりの大切さを学びました。貴社でも、正確な処理と業務手順の改善を通じて、チームの業務を支えたいと考えています。

自己PRの詳しい作り方や、職種別の例は第二新卒で実績がない…自己PRに書けることを見つける4ステップ、志望動機の作り方は第二新卒の志望動機の書き方で解説しています。

未経験職種へ応募するときの職務経歴書

ハローワークの資料では、異なる職種へ転職する場合は一般的に「未経験者」として扱われるため、①なぜ異なる職種へ転職しようとするのか、②応募先の仕事の内容を理解したうえで応募していること、③その仕事をこなせる能力・適性があること、を説明するよう案内されています。

未経験職種に応募する場合でも、「書くことがない」わけではありません。現職で身につけたことのうち、応募先の仕事でも使えるものを整理しましょう(編集部による整理)。

  • 販売職 → 営業職:顧客の要望を聞き取る力、商品を説明する力
  • 事務職 → 企画・マーケティング職:データを集計・整理する力、資料作成の経験
  • 営業職 → 事務職:正確な書類作成、社内外との調整の経験

あわせて、応募先の仕事に向けて勉強していること(資格の勉強、独学など)があれば書き添えます。未経験転職の進め方は、第二新卒から未経験職種へ転職できる?で詳しく解説しています。

短期離職の場合に注意したいこと

在籍期間が短い場合も、職歴は省略せず、事実に基づいて書きましょう。入社、配属、担当業務、退職(または在職中)を、時系列で整理します。

退職理由について、ハローワークの資料では、職務経歴書に書く場合は「一身上の都合により退職」などのように簡単に書き、具体的な理由を伝えたい場合は前向きな表現を心がけて丁寧に書く(前の会社の批判は避ける)と説明されています。また、短期間で退職した理由については、採用担当者が納得できる説明をするよう案内されています。

職務経歴書に詳しく書くかどうかにかかわらず、面接では理由を聞かれることを想定して準備しておきましょう。転職理由の整理と伝え方は、第二新卒の転職理由はどう伝える?で詳しく解説しています。

第二新卒の職務経歴書で避けたいミス

  • 履歴書の内容をそのまま写す:職務経歴書では、担当業務や工夫を具体的に書き足します。
  • 同じ内容を使い回す:ハローワークの資料でも、応募先企業の知りたいことに応じて書くことが必要とされ、同じ内容を複数の応募先に使い回すのは適当でないとされています。
  • 業務内容が一言だけ:誰に・何を・どのくらい、が分かるように書きます。
  • 数字や成果を盛る:面接で説明できる事実の範囲で書きます。
  • 短い職歴を省略する:経歴は事実どおりに書きます。
  • 前の会社への不満を書く:退職理由を書く場合も、前向きな表現にします。
  • 読みにくいレイアウト:見出しを付け、文字を詰め込みすぎないようにします。パソコンで作る場合、本文の文字は10.5〜12ポイント程度とされています。
  • 履歴書と内容が食い違う:日付、在籍期間、会社名などをそろえます。

提出前チェックリスト

  • □ 求人票・募集要項で、提出の要否や形式の指定を確認した
  • □ 標題・日付・氏名・職務経歴を書いた
  • □ 日付は提出日で、履歴書と同じにした
  • □ 会社名は正式名称で、年号は和暦か西暦に統一した
  • □ 職務要約で、経験の概要が一目で分かる
  • □ 担当業務を「誰に・何を・どのくらい」で書いた
  • □ 数字や成果は事実の範囲で書いた
  • □ 応募先の仕事につながる経験・スキルを入れた
  • □ 履歴書と内容が食い違っていない
  • □ 誤字・脱字を読み返して確認した

ハローワークでは、応募書類の書き方のセミナーや、職業相談窓口での書類の添削アドバイスも行っていると案内されています。

一人で書類を作るのが不安な場合は、書類作成のサポートを行っている転職サービスに相談する方法もあります。たとえば第二新卒エージェントneoは、公式サイトで履歴書・職務経歴書の添削を行っていると説明しています。

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よくある質問

Q. 職務経歴書は何枚にまとめればいいですか?

A. ハローワークの資料では、A4縦サイズ1〜2枚程度が一般的とされています。1枚に収まらない場合は複数枚でも差し支えないとされています。

Q. 職務経歴書は手書きでもいいですか?

A. ハローワークの資料では、パソコンで作成するのが一般的とされていますが、手書き(黒のボールペン・万年筆など)でも差し支えないとされています。応募先の指定があればそれに従いましょう。

Q. 社会人1年目でも職務経歴書は書けますか?

A. 書けます。研修で学んだこと、配属後に担当した業務、覚えた業務の種類、工夫したことなどを整理しましょう。

Q. 退職理由は職務経歴書に書くべきですか?

A. 書くかどうかは選べる項目の一つです。ハローワークの資料では、書く場合は「一身上の都合により退職」などのように簡単に書き、具体的な理由を伝えたい場合は前向きな表現で丁寧に書くとされています。面接では聞かれることを想定して準備しておきましょう。

Q. 職務経歴書に志望動機は必要ですか?

A. 職務経歴書の項目は基本的に自由で、志望動機も盛り込める項目の一つとされています。履歴書の志望動機欄と内容が食い違わないようにしましょう。

Q. テンプレートはどれを使えばいいですか?

A. 職務経歴書は自由様式です。この記事の記入例のように、見出しを付けて項目ごとに整理すれば、特定のテンプレートでなくても作成できます。ハローワークのサイトでも、職務経歴書の作り方のパンフレットやワークブックが公開されています。

まとめ

  • 第二新卒でも、職務経歴書を求められる場面は多い。提出を求められていれば忘れずに用意する
  • 職務経歴書はA4で1〜2枚程度、自由様式。標題・日付・氏名・職務経歴は必須で、ほかの項目は3〜6程度を選ぶのが一般的
  • 社会人経験が短くても、研修、担当業務、業務量、工夫、学んだことなど、書ける材料はある
  • 数字は事実の範囲で使い、盛ったり作ったりしない
  • 自己PRは「経験 → 工夫 → 身についたこと → 次で活かす」の流れで短くまとめる
  • 短い職歴も省略せず、退職理由は面接で説明できるように準備する

職務経歴書を作ることは、自分の経験を整理し、面接の準備をすることにもつながります。履歴書とあわせて、一つずつ仕上げていきましょう。第二新卒の転職全体の基本は、第二新卒とは?何歳まで?でも整理しています。

出典

※記入例・例文はすべてCareerMedia編集部が作成した架空のものです。

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