「今の仕事とは違う職種に挑戦したい。でも、経験がないと相手にされないのでは」——第二新卒で未経験の職種を考え始めると、まずこの不安にぶつかる方が多いのではないでしょうか。

先に結論をお伝えすると、第二新卒であれば、経験がないことだけを理由に未経験転職を諦める必要はありません。ただし、「未経験OK」は「経験を問わず採用される」という意味ではありません。企業が第二新卒に何を期待しているのかを理解したうえで、職種選びと準備を進めることが大切です。

この記事では、企業が第二新卒のどこを見ているのか、第二新卒が検討しやすい未経験職種の例、難しくなりやすいケース、そして未経験転職を進める具体的なステップを順番に整理します。

第二新卒は「経験がない」だけで諦めなくていい

企業は第二新卒の「実務経験」より「人柄」を重視している

マイナビキャリアリサーチLabが公表した「企業人材ニーズ調査2025年版」の解説記事によると、企業が第二新卒人材を採用するうえで重視する内容は「人柄・性格」がもっとも多く、「専門知識・スキル」「実務経験」などの項目に比べて顕著にスコアが高いという結果でした。

また同記事では、第二新卒を採用する理由として「新卒人材が充足できない」「中途即戦力人材が充足できない」が上位に挙がっています。第二新卒は、新卒採用や中途採用を補う存在として位置づけられていることが分かります。

もちろん、これは職種を問わない全体の傾向です。それでも、第二新卒の採用では「その仕事の経験があるかどうか」だけで判断されるわけではない、ということは押さえておいてよいでしょう。

出典:マイナビキャリアリサーチLab「『とりあえず3年』今は昔?熱を帯びる第二新卒採用」

ただし「未経験OK」でも選考はある

求人票の「未経験OK」「未経験歓迎」は、その職種の実務経験がなくても応募できるという意味です。選考がないという意味ではありません。

未経験の応募者に対して、企業は「なぜこの仕事をしたいのか」「入社後に学んでいけそうか」をより丁寧に確認します。経験の代わりに、動機と準備で判断されると考えておくとよいでしょう。

第二新卒が未経験の仕事で評価されやすい理由

第二新卒が未経験の職種に挑戦しやすいといわれるのには、次のような理由があります。

  • 社会人としての基本がある:言葉遣いや報告・連絡・相談など、働くうえでの基本をすでに経験している
  • 育成を前提に採用されることがある:経験者の即戦力採用と異なり、入社後に育てていく前提の採用枠がある
  • 前職の経験を別の仕事に活かせる:職種が変わっても、仕事への取り組み方や身につけた姿勢は持ち運べる

ただし、どれも「自動的に評価される」わけではありません。前職で何を経験し、それを新しい仕事にどう活かしたいのかを自分の言葉で説明できて、はじめて評価につながります。第二新卒が企業からどう見られるのかは、第二新卒の市場価値は高い?低い?自分の価値を確認する方法 でも詳しく整理しています。

第二新卒が検討しやすい未経験職種の例

未経験から応募できる求人が見られる職種の例を紹介します。並び順は「転職しやすさの順番」ではありません。実際に未経験で応募できるかどうかは、企業や求人ごとに異なります。

職種 主な仕事内容 未経験の応募で見られやすい点
営業 自社の商品・サービスを顧客に提案し、契約につなげる 人と話すことへの前向きさ、目標に向けて行動を続けられるか
事務 書類作成・データ入力・電話対応などで組織を支える 正確さ、基本的なパソコン操作、周囲との調整力
販売・
接客
店舗などでお客様に商品やサービスを案内する 相手の要望をくみ取る力、忙しいときの対応力
カスタマー
サポート
電話やメール・チャットで問い合わせに対応する 丁寧に説明する力、相手の話を最後まで聞く姿勢
人材業界の仕事 求職者と企業をつなぐ、求人の提案や面談を行う 人のキャリアに関わることへの関心、話を聞く力
IT
エンジニア
システムやWebサービスの開発・運用を行う 自分で学ぶ習慣があるか、学習を続ける意欲

それぞれ、次のような人が検討しやすいと考えられます。

  • 営業:人と関わることが苦にならず、成果が数字で見える仕事にやりがいを感じる人
  • 事務:細かい作業をコツコツ進めるのが得意で、周囲を支える役割に向いている人
  • 販売・接客:人と直接関わり、目の前の相手に喜んでもらうことにやりがいを感じる人
  • カスタマーサポート:相手の困りごとを整理して解決することに関心がある人
  • 人材業界の仕事:自分の転職経験も活かしながら、人のキャリアを支えたい人
  • ITエンジニア:新しい知識を自分で学び続けることが苦にならない人

なお、ITエンジニアのように専門知識が必要になる職種は、未経験可の求人であっても、入社前後の学習が前提になっていることがあります。応募前に、研修内容や求められる学習について確認しておくと安心です。

未経験転職が難しくなりやすいケース

未経験転職がうまく進まないときは、次のようなケースに当てはまっていることがあります。どれも準備次第で見直せるものです。

難しくなりやすいケース 企業側が感じやすいこと 見直し方
応募理由があいまい どの職種でもよいのでは その職種を選んだ理由を、自分の経験と結びつけて説明する
前職への不満だけで職種を変えようとしている 新しい職種でも同じ理由で辞めるのでは 不満の裏にある「次に大切にしたいこと」を言葉にする
高い専門スキルが必要な職種に、準備なしで応募している 入社後に業務についていけるか不安 求人の応募条件を確認し、必要なら学習を始めてから応募する
条件を絞り込みすぎている 応募できる求人がほとんど見つからない 譲れない条件と、妥協できる条件を分けて考える
待遇だけで職種を選んでいる 仕事内容への関心が見えない 仕事内容のどこに魅力を感じるのかを整理する

未経験転職を進める5つのステップ

未経験の職種へ転職するときは、次の順番で進めると迷いにくくなります。

1. 何を変えたいのかを整理する

まずは、今の仕事の何を変えたいのかを書き出します。「仕事内容を変えたい」のか、「働き方や環境を変えたい」のかによって、職種を変えるべきかどうかも変わります。職種を変えなくても、会社や環境を変えるだけで解決する悩みもあるからです。

2. 前職で身についたことを棚卸しする

未経験の職種でも、前職での取り組み方や姿勢は活かせます。任された業務、工夫したこと、周囲から頼られたことを書き出してみましょう。自己PRへのまとめ方は、第二新卒で実績がない…自己PRに書けることを見つける4ステップ で解説しています。

3. 気になる職種について調べる

候補の職種が見えてきたら、仕事内容や仕事の流れ、求められる力を調べます。求人票や企業の採用ページだけでなく、実際にその仕事をしている人の話を聞ける機会があれば参考になります。

4. 実際の求人を確認する

職種が決まったら、「未経験歓迎」の求人を実際に見てみます。応募条件や仕事内容、研修体制を見比べると、自分が応募できる求人がどのくらいあるのか、現実的なイメージがつかめます。

5. 転職理由・志望動機と面接の準備をする

未経験の職種では、「なぜこの仕事に挑戦したいのか」が特に重視されます。前職の経験と新しい仕事をつなげて、前向きな動機として説明できるように準備しましょう。未経験職種へ挑戦する場合の転職理由の例は、第二新卒の転職理由はどう伝える?面接で整理したい考え方と例 で紹介しています。

未経験求人を選ぶときの注意点

未経験歓迎の求人を選ぶときは、次の点を確認しておきましょう。

  • 「未経験OK」の範囲:職種未経験でよいのか、業界未経験でもよいのかは求人によって異なる
  • 研修・教育体制:入社後にどのような研修やサポートがあるのかが書かれているか
  • 仕事内容の具体性:担当する業務が具体的に書かれているか。あいまいな場合は面接で確認する
  • 給与・待遇の条件:未経験で入社する場合の給与や、その後の昇給の考え方が示されているか

求人票で書かれていない部分を面接で確認する方法は、第二新卒で転職を失敗しないために|2社目で確認したい会社選びのポイント でも詳しく紹介しています。

第二新卒向けの転職エージェントを使うメリット

未経験の職種への転職を一人で進めるのが不安な場合は、第二新卒・既卒向けの転職エージェントを利用する方法もあります。

  • 自分の経歴で応募できる未経験求人を紹介してもらえる
  • どの職種が自分に合いそうか、客観的な意見をもらえる
  • 志望動機や面接の準備を一緒に進められる

未経験OKの求人は、サービスによって扱っている内容が異なります。まずは実際にどんな求人があるのかを確認してみると、自分に合う職種を考える材料になります。相談したからといって、すぐに転職を決める必要はありません。

第二新卒の未経験転職に関するよくある質問

Q. 第二新卒なら、未経験の職種でも転職できますか?

A. 未経験から応募できる求人は見られます。ただし、選考があることは変わりません。その職種を選んだ理由と、前職の経験をどう活かしたいのかを説明できるように準備しておくことが大切です。

Q. 未経験転職をするなら、何歳までに動いた方がいいですか?

A. 未経験で応募できる年齢に一律の決まりはなく、企業や求人によって異なります。第二新卒の一般的な考え方については、第二新卒とは?何歳まで?転職を考える前に知っておきたい基礎知識 で整理しています。

Q. 資格がなくても未経験転職はできますか?

A. 未経験可の求人の中には、資格が応募条件になっていないものも見られます。ただし、専門性の高い職種では、資格や学習の経験が評価につながることもあります。応募したい求人の条件を確認したうえで、必要に応じて準備を進めましょう。

Q. 未経験の職種に転職すると、年収は下がりますか?

A. 職種や企業、これまでの給与によって異なるため、一概には言えません。応募前に求人票の給与条件を確認し、面接の場でも入社後の昇給の考え方などを確認しておくと安心です。

まとめ

  • 企業は第二新卒の採用で「人柄・性格」を特に重視しており、経験がないことだけで諦める必要はない
  • ただし「未経験OK」でも選考はあり、経験の代わりに動機と準備で判断される
  • 職種の例を参考にしつつ、実際に応募できるかは求人ごとに確認する
  • 何を変えたいのかを整理し、前職の経験と新しい仕事をつなげて説明できるように準備する

まずは、今の仕事の何を変えたいのかを書き出すところから始めてみてください。

未経験の職種への転職を相談できるサービスを比較したい方は、第二新卒におすすめの転職エージェントを比較|失敗しない選び方も解説 で、対象者やサポート体制の違いを整理しています。