「前の会社を辞めた理由は説明できるのに、志望動機になると何を書けばいいか分からない」——第二新卒の転職活動では、こうした悩みを抱える方が少なくありません。
先に結論をお伝えすると、第二新卒の志望動機は、退職理由の説明で終わらせず、「これまでの経験」「次に挑戦したい仕事」「その会社を選ぶ理由」「入社後どう活かしたいか」をつなげて伝えることが大切です。
この記事では、志望動機に入れたい要素と作り方の手順、同じ職種・未経験の職種それぞれの例文、避けたい内容、面接での伝え方を順番に整理します。
第二新卒の志望動機で伝えたい4つのこと
志望動機では、次の4つを一本の流れとしてつなげて伝えることを意識しましょう。
- これまでの経験:前職でどのような仕事をし、何を身につけたか
- 次に挑戦したい仕事:なぜその仕事・職種を選ぶのか
- その会社を選ぶ理由:同じ仕事ができる会社の中で、なぜその会社なのか
- 入社後どう活かしたいか:経験をどう活かし、どう成長していきたいか
社会人経験が短い第二新卒でも、前職での経験はあります。その経験から次の仕事、応募先の会社、入社後へと話がつながっていると、「なぜこの人は当社を選んだのか」が相手に伝わりやすくなります。
転職理由と志望動機の違い
面接では、転職理由と志望動機を別々に聞かれることがあります。この2つは、答える問いが異なります。
| 項目 | 転職理由 | 志望動機 |
|---|---|---|
| 答える問い | なぜ今の会社・前の会社を離れるのか | なぜ次の仕事と、その会社を選ぶのか |
| 話の向き | これまでの振り返りが中心 | これからの挑戦が中心 |
| 中心になる 内容 |
離れる理由と、そこから考えたこと | 経験の活かし方と、入社後にしたいこと |
ただし、2つは別々の話ではありません。転職理由で話した「次に大切にしたいこと」が、志望動機の「その仕事・その会社を選ぶ理由」につながっていると、話全体に一貫性が生まれます。
転職理由そのものの整理の仕方や伝え方は、第二新卒の転職理由はどう伝える?面接で整理したい考え方と例 で詳しく解説しています。この記事では、志望動機の組み立て方を中心に紹介します。
志望動機を作る5つの手順
1. 前職の経験を書き出す
まずは、前職で担当した業務と、その中で工夫したことや任されるようになったことを書き出します。大きな実績でなくても構いません。経験の棚卸しの方法は、第二新卒で実績がない…自己PRに書けることを見つける4ステップ が参考になります。
2. 次に挑戦したい仕事を言葉にする
書き出した経験の中で、やりがいを感じたことや、もっと伸ばしたいと感じたことを振り返り、「次にどんな仕事をしたいのか」を言葉にします。ここが転職理由とつながる部分です。
3. その会社を選ぶ理由を探す
同じ仕事ができる会社はほかにもあります。求人票や企業の採用ページを読み、仕事内容・事業・働き方などの中で、自分の「次にしたいこと」と重なる部分を探しましょう。求人票の読み方は、第二新卒で転職を失敗しないために|2社目で確認したい会社選びのポイント でも紹介しています。
4. 入社後にどう活かすかを考える
前職の経験を、応募先の仕事でどう活かせそうかを考えます。経験が少ない場合は、「身につけた姿勢」や「学んでいきたいこと」を中心にしても構いません。
5. 一つの流れにまとめる
最後に、1〜4を「経験 → 次に挑戦したい仕事 → その会社を選ぶ理由 → 入社後の活かし方」の順につなげて文章にします。書いたあとは、同じ内容が他の会社にもそのまま当てはまらないかを確認しましょう。
第二新卒の志望動機例文
以下は、組み立て方を説明するための例です。実際に書くときは、自分の経験や応募先の情報に置き換えてください。例文をそのまま覚えるのではなく、「どの部分が4つの要素にあたるのか」を参考にしてください。
同じ職種で環境を変える場合
(例:営業職から営業職へ)
前職では法人向けの営業として、既存のお客様への提案を担当してまいりました。お客様の課題を伺いながら提案内容を考える中で、より長くお客様と関わり、課題の解決まで伴走できる営業に挑戦したいと考えるようになりました。貴社は、導入後のサポートまで営業担当が一貫して関わる体制をとられていると求人情報で拝見し、自分が目指す営業のあり方に近いと感じて志望いたしました。前職で身につけたヒアリングの姿勢を活かし、お客様と長く信頼関係を築ける営業として成長していきたいと考えております。
この例では、「課題解決まで伴走したい」という次にしたいことと、「導入後も同じ担当が関わる」という応募先の特徴が結びついています。同じ職種の転職では、職種が同じ分、「なぜ今の会社ではなく、その会社なのか」を具体的にすることが大切です。
未経験の職種に挑戦する場合
(例:事務職から人材業界の仕事へ)
前職では事務職として、社内の問い合わせ対応や書類作成を担当してまいりました。社内の方から相談を受けて手続きを案内する中で、相手の状況を聞きながら次の一歩を一緒に考える仕事に関心を持つようになりました。未経験ではありますが、人のキャリアに関わる仕事に挑戦したいと考えております。貴社は入社後の研修で面談の進め方を段階的に学べると伺い、未経験からでも基礎を身につけながら挑戦できる環境だと感じ、志望いたしました。前職で意識してきた「相手の話を最後まで聞く姿勢」を活かし、求職者の方に信頼していただけるよう努めてまいります。
未経験の職種では、「なぜその仕事に挑戦したいのか」が特に重視されやすくなります。前職の経験の中から、新しい仕事への関心が生まれたきっかけを具体的に伝えることがポイントです。未経験転職の進め方全体は、第二新卒から未経験職種へ転職できる?検討しやすい仕事と転職方法 で整理しています。
例文を参考にするときの注意点
例文は、4つの要素のつながり方を確認するためのものです。表現をそのまま使うと、どの会社にも同じように言える志望動機になりやすく、面接で深掘りされたときに説明が続きにくくなります。自分の経験と応募先の具体的な情報に置き換えて作りましょう。
「なぜこの会社か」が書けないときの考え方
志望動機で特に書きにくいのが、「なぜ他の会社ではなく、この会社なのか」の部分です。書けないときは、次の順番で考えてみましょう。
- 仕事内容を具体的に見る:同じ職種名でも、担当範囲や進め方は会社によって異なる。求人票に書かれている業務の特徴を探す
- 自分の「次にしたいこと」と重ねる:見つけた特徴のうち、自分がやりたいことと重なる部分を選ぶ
- 分からないことは面接で確認する:求人票だけで判断できない部分は、面接の質問として準備しておく
「知名度があるから」「安定していそうだから」といった理由だけでは、その会社を選ぶ理由として伝わりにくくなります。自分の経験や次にしたいこととのつながりで説明できる理由を探すことが大切です。
志望動機で避けたい内容
次のような内容は、同じ事実でも伝わり方がマイナスになりやすいため、見直しておきましょう。
- 待遇や条件だけを理由にする:給与や休日などの条件は大切ですが、それだけでは仕事への関心が伝わりにくくなります
- 受け身の表現が中心になっている:「学ばせていただきたい」「成長させてほしい」だけでは、入社後にどう貢献したいかが見えにくくなります
- どの会社にも言える内容になっている:会社名を入れ替えても成り立つ志望動機は、「なぜこの会社か」が伝わりません
- 前職への不満だけで終わっている:不満の説明が中心になると、転職理由と区別がつかなくなります
- 会社をほめる言葉だけが並んでいる:「理念に共感しました」だけで終わらせず、なぜ共感したのかを自分の経験と結びつけて説明しましょう
履歴書と面接での伝え方
履歴書・職務経歴書では要点を絞る
書類では、4つの要素を短くまとめ、読み手がひと目で流れをつかめるようにします。すべてを書き込もうとせず、面接で詳しく話せる余地を残しておくのも一つの方法です。
面接では深掘りされる前提で準備する
面接では、「なぜそう思ったのか」「他の会社ではだめなのか」といった深掘りの質問をされることがあります。書類の内容を丸暗記するのではなく、それぞれの要素について具体的なエピソードを話せるように準備しておきましょう。準備した内容は、一度声に出して話してみると、説明が長すぎる部分や足りない部分に気づきやすくなります。
一人で準備するのが難しい場合は、家族や友人、転職エージェントなど第三者に聞いてもらう方法もあります。転職エージェントを使うかどうか迷っている方は、第二新卒は転職エージェントを使わない方がいい?必要な人・不要な人を解説 も参考にしてください。
第二新卒の志望動機に関するよくある質問
Q. 転職理由と志望動機は同じ内容でもいいですか?
A. 同じ内容にする必要はありませんが、つながっていることが大切です。転職理由では「なぜ離れるのか」、志望動機では「なぜ次の仕事と、その会社を選ぶのか」を中心に話し、転職理由で話した「次に大切にしたいこと」が志望動機に自然につながるように組み立てましょう。
Q. 前職の在籍期間が短くても、志望動機は書けますか?
A. 書けます。期間が短くても、担当した業務や工夫したこと、仕事を通じて気づいたことはあるはずです。それらを「次に挑戦したい仕事」とつなげて説明しましょう。
Q. 例文をそのまま使ってもいいですか?
A. おすすめしません。例文は組み立て方の参考にとどめ、自分の経験と応募先の情報に置き換えて作成しましょう。そのまま使うと、面接で深掘りされたときに自分の言葉で説明しにくくなります。
Q. 複数の会社に同じ志望動機を使ってもいいですか?
A. 「これまでの経験」や「次に挑戦したい仕事」は共通でも構いませんが、「その会社を選ぶ理由」と「入社後どう活かしたいか」は、応募先ごとに考えることをおすすめします。
まとめ
- 第二新卒の志望動機は、退職理由の説明で終わらせず、経験・次に挑戦したい仕事・その会社を選ぶ理由・入社後の活かし方をつなげて伝える
- 転職理由は「なぜ離れるのか」、志望動機は「なぜ次の仕事と、その会社を選ぶのか」に答えるもの。2つがつながっていると一貫性が生まれる
- 「なぜこの会社か」は、求人票の具体的な仕事内容と自分の「次にしたいこと」を重ねて考える
- 例文は丸暗記せず、自分の経験と応募先の情報に置き換えて作る
まずは、前職の経験と「次に挑戦したい仕事」を書き出すところから始めてみてください。
転職理由の整理がまだの方は、第二新卒の転職理由はどう伝える?面接で整理したい考え方と例 とあわせて準備すると、転職理由から志望動機まで一貫した説明がしやすくなります。


